2014年2月19日水曜日

皮蛋

皮蛋(ピータン)は、アヒルの卵を強いアルカリ性の条件で熟成させて製造する中国の食品。鶏卵やウズラの卵などでつくられる場合もある。高級品には白身の表面にアミノ酸の結晶による松の枝のような紋様がつくことから、松花蛋と呼ぶ(「花」は“紋様”を意味し、全体として「松の紋様の卵」の意)。

[食べ方]
皮蛋は、アンモニアや硫化水素を含む独特の匂いと刺激的な味を持つ。なお食べる時は殻についた粘土や籾殻などを洗い落としてから殻を剥いて食べる。できればスライスしてしばらく空気にさらし、匂いが減ったころに食べるとよい。
黄身が半熟状で匂いの弱い溏心皮蛋と黄身が硬く保存性の高い硬心皮蛋の二種類に大別される。一般的には匂いが弱く、味も良い溏心皮蛋の方が好まれる傾向にある。

前菜として、そのまま食べるだけではなく、食材として、皮蛋豆腐や皮蛋粥といった中華料理に使われることも多い。また、さくさくしたパイ生地で餡と皮蛋を包んだ皮蛋酥など、菓子の具としても使われることがある。

[製造法]
記録によると、明代初期にアヒルの卵を灰の中に埋めて忘れてしまい、二ヵ月後に発見された卵が熟成していたことから偶然に製法が発見されたとある。石灰や木炭を混ぜた粘土を卵殻に塗りつけ、さらにその上から籾殻をまぶした物を、土中ないし甕の中にいれ、2~3ヶ月程冷暗所に貯蔵する。殻の表面に塗りつけた石灰などのアルカリ成分が徐々に殻の内部に浸透し、卵の成分がタンパク変性を起こして固化する。白身部分は黒色のゼリー状、黄身部分は翡翠色になる。
ピータンは製造過程で蛋白の凝固を促進するため「黄丹粉」と呼ばれる一酸化鉛の化合物を使用する。1971年に台湾大学の劉伯文教授がピータンには人体に有害な鉛成分が含まれるとの研究結果を発表し、以来黄丹粉を使用しない「無鉛ピータン」と銘打った製品が流通するようになった。だが別種の鉛化合物が使用される場合があるなど、ピータンの食べ過ぎは鉛中毒の危険があり注意が必要である。

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